「ストーリー・オブ・ Anvil(The story of Anvil)」というドキュメンタリー映画を見に行きました。
この映画はAnvilというカナダ出身のヘアメタルバンドの活動を描いたドキュメンタリーで、最近テレビでその宣伝をしているのを見てその存在を知りました。
80年代にはBon JoviやWhite Snakeと来日も果たしているこのAnvil、正直なところ、今回テレビで宣伝を見るまで私はこのバンドの存在を知りませんでした。当時一緒に来日したBon JoviやWhite Snakeはご存知のように世界的な成功を収めたわけですが、Anvilは別。
ギターのスティーブ・”リップス”クードロー、ドラムのロブ・ライナーを中心に結成されたこのバンド、80年代には多少の商業的な成功はあったものの、その後は転落の一途をたどり、メンバーも50歳を過ぎた今はカナダでケータリング・トラックのドライバーなんかをして生計を立て、その合間にバンド活動をする程度。それでもこの二人のオジサン+90年代に加入したメンバーは今も「ロックスターになるんだ!」と言う夢を捨てずに頑張っているわけです。
そんなAnvilの近年を描いたドキュメンタリーが今回の「ストーリー・オブ・Anvil」
この映画、まあドキュメンタリーとはいえ、ネタバレは一応避けたいと思いますので詳しくは書きませんが、基本的には大失敗のヨーロッパツアーや、アルバムのレコーディング、メンバーの友情や確執を家族や友人、他のロックスター、プロデューサーなどのインタビューを交えながら記録した内容となっています。また、劇中では「日本」が意外にも重要且つ印象的に描かれており、それもまた日本人の私としては非常に嬉しく、そしてまた日本のロック・ファンを誇りに思わせてくれるのでした。
そして何よりも「ロックが好きで好きでたまらない少年のようなオッサン」の描写が、「かっこいい」&「なさけない」の狭間を行ったり来たりして、なかなか楽しく見ることができました。途中スラッシュやメタリカのラーズもインタビューで登場し、とても興味深い内容になっています。何よりも「どこまでも執念深く夢を諦めない」ことってやっぱり大事だなと思わせてくれる、後味の良いドキュメンタリーで、ロックファンなら必見です。日本での公開、もしくはDVDでの発売があれば是非ご覧になってみてください。
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written by Rosie)