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Title : Last Train To Paris / Diddy-Dirty Money(written by groovenuts)
Date : 2011.02.28 Monday / Category : -
<Ladies and gentlemen, yeah, yeah, I’m here to tell you, that this is a brand new sound. This, this will change your life. >
このセリフとともにintro後の一曲目”Yeah Yeah You Would”が始まる。乱れ打ちされたビートと、耳を劈くようなシンセの音を聴いた瞬間、とてつもないワクワク感に襲われ、それを押さえきれなくなった。
Diddy-Dirty Moneyは、Bad BoyレーベルのオーナーDiddyと、Danity Kaneという女性グループに所属していたDawn Richard、シンガー・ソングライターとして多くのアーティストにも楽曲提供をしているKalenna Harperによるプロジェクト・グループである。本アルバムは、ユーロダンスやテックハウス等のクラブサウンドを積極的に取り入れ、かと思えば、Bad Boy印の大胆なサンプリングも差し込んでいて、かなりバラエティに富んだ内容となっている。
客演には、Lil WayneにChris Brown、Trey SongzやUsher、Swizz Beatz、Biggieなど豪華なメンツが参加している。プロデューサーには、実力派の若手を多く迎え、エグゼクティブ・プロデューサーとして、Diddy、Rodney Jerkins、Mario Winansというお馴染みの面々が外側からしっかりサポートをしている、といった具合だ。ちょうど、Kanye WestやT.I.、Nicki Minaj等とリリース時期が重なった為、あまり派手な取り上げ方はされなかったが、もっと注目されるべき一枚だ。
(groovenuts)
Title : 「PIMP OF THE YEAR」SOIL&"PIMP"SESSIONS(written by rick)
Date : 2011.02.24 Thursday / Category : -
Title : 「INEXORABLE」David Verity (written by satokkuma)
Date : 2011.02.16 Wednesday / Category : -
日本でも、インディとはいえ多くのファンを持つDevanteが改名し、David Verity名義で昨年発売したこのアルバム。今月、新曲2曲を追加した日本盤がビクターエンターテインメントから発売される。なぜ改名する必要が?と思ったが、それには彼なりの決意、覚悟があったようだ。
HMV ONLINEのインタビューによると、Devanteというのは彼のニックネームで、子供の頃に友達からそう呼ばれて、本人も気に入ったものだった。確かにその名前でCDを発売した事で、Jodeciファンからの嫌がらせを受けた事も話している。彼は、Jodeciのアルバムを聴いた事もなく、メンバーのDonaldがDevanteというクレジットを使っている事も全く知らなかったのだ。アルバムもすでに2枚発売し、応援し続けているファンもいる中での改名はリスクも伴うだろう。しかしながらこの改名は前向きなもので、本名のDevidに戻す事で自分の本来の才能を信じ直し、Verityを姓にした通り真の才能を証明しようとしている。
作曲、プロデュース業にも非凡な才能を発揮し、良い作品を造り出してきたにもかかわらず商業的には振るわなかった理由も、本人はよく理解している。プロモーションの大切さというものを、後に気づいたという。プロモーションにかける余裕が出てきた今、勝負の第3作目を発売という事だ。
1st,2ndアルバムと比べると、一瞬別人かと思う(1)“Supervillain”から始まる。今回、新しいスタイルを取り入れたという事がわかる。(2)“Damn”を聴く頃になると、そのスタイルが馴染んでいる事に気づき、結構気に入ってくる。(3)“This Time”では、こういうサウンドも彼には合っているのだという事を確認する。(7)“Unspoken”、(9)“My Rock”、(11)“Wings”、(1)“December”では、1st、2ndアルバムの要素も残しており、ファンをほっとさせる。やはり、個人的にはDevante時代の音楽性に惹かれるのだが、ファンとしてはDavid Verityとしての今後の活躍を応援したい。
そして、この改名が正解 だったと確信する日が来るのを待つ。
(satokkuma)
Title : 壊れた音楽たちが指し示す未来【Flying Lotus - Cosmogramma】(written by boriboriyabori)
Date : 2011.02.14 Monday / Category : -
フライングロータスの今作はブレイクビーツが主体だが、もはやジャンル分けが不可能というレベルだ。ポピュラーミュージックに慣れ親しんだ僕にはセオリーの崩壊した、ある意味での壊れた音楽のように感じてしまう。
しかし一方でフライングロータスを詳しく知るにつれ、本当にそのなのかと疑問が湧いてきた。それは彼の親族にジャズ・ピアニストのアリス・コルトレーンと巨人ジョン・コルトレーンを持ち、その他も音楽家を多く産出するまさにサラブレッドの血統を引くからだ。
彼の家系はまさに音楽一家で、セオリーなんて分かり切っているのだろう。これは僕の推測だが彼はセオリーを分かりきった上で、あえて崩壊させているのではないだろうか。
現代の音楽を崩して再構築したものこそ、今作であり彼の提示する未来なのだ。彼の掲げる未来はサウンドにも明確に反映されている。
楽曲を丁寧に聴いて行くと、爆音のビートに隠れて美しいサウンドが聴こえて来る。時にはクラッシックだったり、映画アバターの美しい惑星の景色を思い出させるような音色もあったりする。
そうこれは支離滅裂な音楽などではなく、まさに温故知新的なアプローチで構築した未来なのである。
(boriboriyabori)
Title : スイングの意味を教えてくれたボーカリスト・・森山浩二 ナイト・アンド・デイ(written by レック・アンドー)
Date : 2011.02.09 Wednesday / Category : -
1曲目の「夜も昼も」が軽快なピアノとベースに森山のハスキーなひょっとするとブルースシンガーよりの声が独特なタイム感でのってくる。理屈ぬきにこのボーカルのノリから発する躍動感こそがスイングなのだ。今までスイングというのが感覚として体で感じることが出来ずにずっ〜と脳にハテナマークが消えずにいた。なのでスイングという言葉を聞いたり、見たりするとその度に「イラッ」としていたが、この瞬間脳から消えた。そしてスイングが体に入ってきた。このいい状態で途中からスキャットをアドリブで披露してくれる。これは昔、TVで見たウイスキーのCMでサミーデービスJr.がアップテンポのスキャットをやっていて私は初めて出会ったスキャットに固まってCMを見入っていたのを思い出した。森山のスキャットボイスの合間に山本剛のピアノがまるでボーカルの息つぎをしているかのようなタイミングで入ってくる。山本のピアノもまさにボーカルと同化してピアノが躍動の鼓動を放っているようだ。森山がスイングしている時には山本がピアノを楽器的に刻む、また時には森山が楽器的ボイスの時に山本のピアノが歌う・・この対比がスリリングさとアグレッシブさを増幅させる。森山が3曲コンガを叩いているのもリズムキープの中で他の楽器パートを遊ばせる大きな役割をもっている。
パーカショニストでもある森山がコンガを叩きながらこのハスキーボイスがスイングしている様子をイメージすると、やはり日本人離れした無国籍的な画像になる。ジャズバーにこのジャケットがちゃんと飾られているのではなくむしろ無造作に置かれている。それがたまたま目に入った・・というのが私の願うベストシチュエーションだ。このスキャットボイスと乾いたジャズサウンドに、水割りの氷がグラスにぶつかる音がいいアクセントになって今日もまた、眠らない街「横浜」にジャズがDEEPゾーンに入っていく。
(レック・アンドー)
Title : 「Changing Faces」Changing Faces(written by kellsclusive)
Date : 2011.02.07 Monday / Category : -
お気に入りだったアーティストのその後は、とても気になるものだ。
3rdアルバム発売後、ファンの前から姿を消してしまったR&BデュオChanging Faces。彼女達のその後を調べていた所、彼女達のfacebookから多くではないが、いくらか情報を得る事ができた。
2001年以降活動を休止し、Charisse Roseは、Mya他有名アーティストに曲を提供、また男の子の母親として忙しい日々を送っていた。Cassandra Lucasも、MTVのリアリティーショー、Donell Jones、Jody Watley等に曲を提供。新人の育成にも携わっていた。
そんな彼女達が数年前に再結成し、2009年頃からニューアルバムの制作を始めたようだ。当初、2009年の終わりから2010年の始めには発売予定だったようだが、2011年2月現在発売までには至っていない。
そんな彼女達のデビューアルバムを紹介したい。メンバーの二人は高校の同級生で、卒業後別の道を進んでいたが、音楽を諦める事はなく、再会した二人はツアーヴォーカルとして雇われ、1994年にはR.Kellyのプロデュースにより、ファーストシングル"Stroke You Up"、"Foolin' Around"を大ヒットさせた。1995年にはファーストシングルの2曲を収録したデビューアルバムを発売し、数多くいた人気女性ヴォーカルグループの中、多くのファンを得た。
先に挙げたシングル2曲は、アルバムの1、2曲目に収録されており、当時のR.Kellyの手腕がうかがえる。
アルバム全体を通して、トラックの良さは間違いないのだが、何と言っても一番の魅力は彼女達の声だ。この二人がデュオというのは奇跡に近いと思う。こんな黄金比率はないのではないか。そして90年代R&Bファンならご存知かと思うが、当時このグループは日本でも、容姿端麗で有名だった。Facebookでここ数年の写真を見る事ができる。プロフィール写真等は、3rdアルバム発売時とどこも変わっていない。
ニューアルバム制作において、「ファンをガッカリさせたくない」という思いを持っていた彼女達だから、きっと早くアルバムを発売したいに違いない。待つ価値有り。
(kellsclusive)
Title : 夏の物語の乱反射/『乱反射ガール』土岐麻子(k.s.k !)
Date : 2011.02.04 Friday / Category : -
夏という季節は生き物のような力強さを孕んでいる。夏の光はプリズムのように反射をし、あらゆるものを輝かせる。土岐麻子の「乱反射ガール」が僕らのもとに届けられたのは、昨年2010年の5月の末。まさに、夏の訪れの気配が感じられるこの時期であったことは、ある種必然であったとも言えるかもしれない。
表題曲のなかのある一節“真夏の奇跡”を感じることのできるこの傑作アルバムは、最初のイントロダクションの土岐麻子の包み込むようなあのボーカルで一気に僕らを夏の乱反射する光の中に連れ込んでしまう。そして、「乱反射ガール」、「熱砂の女」、「薄紅のCITY」と経るごとに夏の物語はどんどん盛りを迎えてゆく。それは過去も未来も関係ない予感や情熱、そして閃きなのだ。
そして中盤では、THE BEATLESの名曲、「ALL YOU NEED IS LOVE」が実にすばらしいアクセントをアルバム全体に加えてくれる。それはどこか夏休みの終わりに近づいてゆくあの寂しさともつかない、盛りの余韻によく似ている。
やがて僕らは、もともとこのアルバムのタイトルに仮題として予定されていた「Perfect You」、そして「City Light Serenade」で夏のあの物語にも終りが来ることを知ってしまう。“僕は僕へと/きみはきみへと帰”ってゆかなくてはならない。夏のあの乱反射のような輝きは静けさを残す。
そうして僕らはまた夏を迎えるのだろう。そのときはまた、この「乱反射ガール」を取り出して聴いたりするのかもしれない。そんな行く年を経ても色褪せないであろうアルバムを、僕らは手に入れた。
(k.s.k !)
Title : Vampire Weekend / Contra(written by yg)
Date : 2011.02.03 Thursday / Category : -
10年代の幕開けにふさわしい作品。
それは90年代にNirvanaが鳴らした号砲、00年代のStrokesのクールなモダン・エイジ宣言、作風は違えど時代の変わり目には、不思議と素晴らしいバンドが登場し、素晴らしい作品が生まれる。
オシャレでポップなバンド=Vampire Weekendという図式は確固となり、やりたい放題というか何というか、スカ、レゲエ、アフリカン・ギターなど、本当に何でもありのアルバム。だからと云って散漫に感じる事は全くなく、むしろ、その全てがVampire Weekendなのである。
オープニングトラック「Horchata」から、のんびりと「White Sky」、そして開放的な「Holiday」、リードシングル「Cousins」から「Giving Up The Gun」へのそれぞれの流れ、それぞれの曲が素晴らしく、ポップ・ミュージック万歳、そして心から「音を楽しませて」くれるのである。
全てを背負う・受け止めると云うArcade Fireのスケール感とは違う、流す事・相手に委ねる事も「あり」なんじゃないか、というスタンスを持つ彼らのスタイルが自由を生み出し、表現、言論、ファッション、そして音楽をより良い方向へ誘ってくれると信じている。ビルボードチャート1位を獲ったこの作品、それは必然であり当然でもある出来事。
10年代のアイデンティティーは、ここからスタートする。
(yg)
Title : ロック界に一陣の風を吹かせた作品【The Strokes - Is This It】(writtren by boriboriyabori)
Date : 2011.02.01 Tuesday / Category : -
今日の主人公ザ・ストロークスは、1999年にアメリカ合衆国はニューヨークで結成されたロックバンドである。2000年代におけるガレージロックへの回帰というムーブメントが起こった。その時の代表的なバンドとしてストロークスは語られている。アークティック・モンキーズなどストロークスからの影響を語る後進は多いと言われている。
彼らの奏でるロックは非常にシンプルだ。ギミックが一切なく、純粋なギターロックを聴かせてくれる。ストロークスのシンプルで軽やかなサウンドは、爽やかな風を思わせる。このアルバムがシーンに登場した時も実に颯爽とした登場の仕方だった。
このアルバムはレディオヘッドのKidAという、ロックが最も電子音楽に接近した作品以降に出てきたアルバムだ。
当時はKidAのあまりのインパクトにシーンはロックに対し、絶望感、陰鬱さに満ちたサウンドばかりだったという。そこに新たな時代の息吹を吹き込んだのがストロークスである。
つまり彼らはKid A以降シーンに風穴を開けた一陣の風なのである。時代の流れを感じながら聴いて欲しい作品だ。
【同じサウンドタイプのアーティスト】
Arctic Monkeys/Dirty Pretty Things/The Libertines/Baby Shambles/The Vines
(boriboriyabori)
Title : MUSE / Absolution (written by トム)
Date : 2011.02.01 Tuesday / Category : -
MUSEというバンドの中で史上最高傑作であり、一番人間味溢れる楽曲たちである。
人というのは、切ないとき、気が狂ってしまいそうなとき、愛しいとき、悲しいとき、愛してやまないとき、全ての感情を凝縮させ一つの音楽というものになるのならば、まさにAbsolutionというアルバムになるだろう。
人が色々な感情が形成されていく時期が思春期ならば、今のteenたちに実際手に取って聞いてもらいたい。愛しいまでに奏でるギター、ベース、ドラムの重なる三十奏である。オルタナティブロックであるという概念すら突き抜けてしまい、どこに帰るというのだろうか。
ジャケットからわかるように、僕らはどんな時であれ空を見て色々なことを忘却してきたのかもしれない。
色々なことを忘れていくうちに気づいていくこと、忘れていく悲しさ、それらの哀愁感が漂うアルバムと言ってもいいだろう。楽曲的には攻めに攻めを重ねているアルバムかもしれないが、他にはない突き抜けた美しさ、残酷さ、醜さ、悲しさが良く伝わるアルバムではある。
しかしこれらのありとあらゆる感情に現実逃避するのでなく、闘ってほしい。
これらの感情を抱いてしまった時、私たちに出来ることが啓示されているアルバムである。
是非五感全てで感じてほしい。
(トム)