一定期間更新がないため広告を表示しています
Title : 雨の日も、晴れの日も「モンマルトルからのラブレター」ZAZ(ザーズ) (written by rick)
Date : 2011.06.16 Thursday / Category : -
あなたなら、何に惹かれる?スモーキーな独特ヴォイス。耳に残るキャッチーなメロディー。哀愁のリズム。どれもこれもが日本人好み!フランス出身のワールドワイドな大型新人ZAZ(ザーズ)は、エディット・ピアフの再来と例えられるほどの才能の持ち主。その歌唱法や路上で歌っていたことがあるという共通項から語られるのだろう。昨年夏の本国フランスではCD売上ランキングを8週連続して1位を獲るほどザーズの人気は凄い。
ザーズ(本名イザベル・ジュフロワ)はフランスのトゥールで生まれ育ち、幼少のころから音楽学校に通いヴァイオリン・ピアノ、ヴォーカルを習った。以後も音楽を学び続け様々な音楽活動を経て、パリに活動拠点を置きキャバレーに出演したりモンマルトルの路上で歌ったりもした。'09年、同市で行われたシャンソン新人発掘コンテストで優勝をきっかけにアルバム・デヴューが決まる。同年、本邦フジロックフェスにも出演。
今作には、ザーズ独特の人生観などが綴られ、日常の光と影や機微が鋭い視線で詩の世界に表現されていてドキッとする部分もある。憂鬱さも明るさもシャンソン一つではおさまりきれないポップス・ジャズ・ラテンなどの彼女がこれまで培ってきたすべての音楽で彩られている。心、惹かれずにいられない。
今年31才のザーズの、酸いも甘いもかぎ分けた力強さと温かみの両方の性質を持った魅惑のヴォイスに、どうぞ酔いしれて。シャンソンはわからないと思わないで聴いてみて。括りはどうでもいい。フレンチ・ポップスの、いえ、世界の音楽の未来がここに!
憂鬱な6月の空に、そして、人生の雨の日も晴れの日もそばにいて寄り添っていてもらいたい、特別な一枚。 (rick)
Title : Adele / 21(written by yg)
Date : 2011.06.14 Tuesday / Category : -
彼女は最高の、そして最愛の「声」を持っている。
それはまさしく神がかった「声」という表現が一番しっくりくるのだろうか。
一つ一つのメロディーに乗って自分の耳に届くその声は、時に優しく、激情的に、そして刹那であり永遠であるかの様な。曲によりその表情は様々だが、魅せる「声」が其所にはあり、一人称で描かれる「愛」の歌は19歳から21歳へと成長した「愛」の証拠である。
近年見られる様なアイドルシンガー、ディーバでもなければ、マドンナのそれとも異なり、現在進行形最強エンターテイナー・ポップモンスターのレディー・ガガとも違う(比べる必要はない訳だが)彼女。
幕を開けるは、前作とはまたひと味違った趣きの曲だが、曲が進むに連れ加速していくその魅力は止める事ができず、「愛」の証拠と共に、彼女の成長を伺わせる。
その著明はCureのカヴァー曲「Love Song」であり、例えば、Beatlesの「Twist And Shout」がカヴァー曲だと認識している人はそんなにいないのではないのだろうか?それはもう完全にBeatlesの曲として確立し、当たり前の様に口ずさむ、それぐらいインパクトがあり自分のものにしている曲である。このカヴァー曲は、もはやその域に達しているのである。そう、それほどまでに素晴らしい。
その後に続く「Someone Like You」は愛の歌は勿論、それ以上に幼き日の情景を思い出し、何処かノスタルジックに、そして母の歌声の様な、後光が射し体の芯から暖めてくれる優しさに包まれている。それは「音楽」というものが認識されてから今に続く、「歌」、「メロディー」、そして「声」というものの、完全なる継承であり、その優しさの極みではなかろうか。
新たな現代ポップスのスタンダードとしてのAdele。
そして、こんな世の中だから、その「声」に癒されてほしいと思う。 (yg)